野生ホップ発見の地碑 |
ホップって何?
ホップとは、ビールをつくるのになくてはならない原料の一つで、かおりと苦味をつけるのに使われています。クワ科の植物で、ヨーロッパ・アジアで広く分布していました。
開拓使から札幌ビールへ
明治維新以後、北海道の開拓に力を入れるようになり、となりの泊村(とまりむら)にあった茅沼炭鉱(かやぬまたんこう)の調査のために、アメリカから顧問としてケプロンと補佐官アンチセルが招かれています。そしてそのアンチセルは1871年に岩内付近でホップが自生しているのを発見して、ホップの栽培が可能であると判断し、この北海道でビールの醸造(じょうぞう:お酒をつくること)を始めることを勧めました。
そのこともあって、開拓使は札幌にビール醸造所の建設を計画。1876年、開拓使札幌本庁物産局麦酒醸造所として完成し、ビールの製造を始めました。翌年には開拓使のシンボルである北極星をマークとした冷製「札幌ビール」が発売されています。
ビール醸造所は開拓史の廃止にともなって当時の農商務省の所管となり、「札幌麦酒醸造所」と名前が変わります。そして北海道庁設置とともに民間に払い下げられ、1888年には札幌麦酒会社が設立されました。まさしく「サッポロビール」の誕生です。
現在では
開拓史がなくなるのとともに払い下げられた官営事業はいくつかありましたが、そのほとんどが北海道に定着しませんでした。合併するなど紆余曲折を経ながらも、現在も残っているのはビール事業くらいしかありません。それが「サッポロビール株式会社」で、大変なじみ深い会社です。また、当時の工場の一部は商業施設サッポロファクトリーとして残されています。
ビール醸造(野生ホップ発見の地関連)
【歴史】
1870 最初の麦酒醸造所設立(キリン)
1871 アンチセルが野生ホップ発見
1876 開拓使麦酒醸造所設置
1877 札幌ビール発売
1882 開拓使廃止、札幌麦酒醸造所に
1886 大倉組に醸造所を払い下げ
1887 日本麦酒醸造所設立(エビス)
1888 大倉組に代わり札幌麦酒会社設立
1889 大阪麦酒会社設立(
アサヒ)
1906 札幌、大阪、日本麦酒が合併
大日本麦酒(株)設立
1949 過度経済力集中排除法により
大日本麦酒が2分割
日本麦酒(株)設立
朝日麦酒(株)設立
1964 日本麦酒がサッポロビールに改称
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岩内町について
古くからニシン漁で栄えた町で、アスパラガスの発祥の地としても知られています。
【由来】硫黄の流れる沢を意味するアイヌ語「イワウナイ」から
【人口】16,726人(2000年10月現在)
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