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札樽国道開通記念碑
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札樽国道開通記念碑 |
札樽国道って何?
その名前が示す通り、札幌と小樽を結ぶ約40kmほどの道路で、現在の国道5号線の一部のことです。開通は1933年で、年代などが書かれた銘板がないのではっきりしませんが、この碑もそのことを記念したもののようです。しかし、それまで札幌と小樽を結ぶ道路がなかったわけではありません。
小樽と札幌を結ぶ道
その始まりは、まだ江戸幕府の時代、1857年にオタルナイ場所請負人の恵比寿屋が開いたものでしたが、大変粗末だったそうで、まだ道路とも呼べなかったかもしれません。明治維新となって、北海道の開拓が始まると、その道も徐々に整備され、1872年には幅を三間(約5m)に広げる本格的な工事が開始されています。また1878年には鉄道敷設の際に鉄道路線として利用できるようにするため、さらなる改修がおこなわれました。翌年に完成したこの道路は、実際に北海道最初の鉄道である幌内鉄道の路線として利用され、さらに現在の函館本線の路線ともほぼ一致しています。ただ、当然のことながら、鉄道ができたためにこの道路は利用できなくなり、代わりの道路もあまり便利ではなかったとのことです。
その後、1904年に日露戦争が始まると、海岸線に沿わない連絡道路が必要との理由から、あらたに山側に大きくう回した道路がつくられました。これは「軍事道路」とも呼ばれ、後に国道4号線となりますが、勾配とカーブがきつく、あまり利用する人はいなかったようです。そのため、1931年からほぼ現在の道路になるような大規模な改良工事がなされて、1933年に完成しました。勾配やカーブがゆるく、自動車も通れるようになり、これが札樽国道の始まりとされています。
現在では
その後、国道4号線は国道5号線に改められ、砂利道を舗装、道路の幅を広げるなど幾度もの工事もなされています。並行して高速道路「札樽自動車道」ができた後も、改良は続けられ、最近になって待望の全線4車線化の工事が完成しました。今後も、札幌と小樽を結ぶ道路としての役割は増していくに違いありません。
札樽国道(国道5号線の一部)
1857 札幌〜小樽に道路ができる
1872 拡幅工事
1879 鉄道敷設のための改修工事完了
1880 道路切り替え、幌内鉄道開業
1905 軍事道路完成
1920 国道4号線に編入
1933 札樽国道開通
1952 国道5号線に改称
1974 札樽自動車道全線開通
2001 全線4車線化完成
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小樽市について
かつては北海道経済の中心地として栄え、北海道初、日本でも3番目の鉄道(現在は一部廃止)が敷かれたところ。そのころの町並みは今でも残り、観光地として賑わっています。
【由来】砂の中の川を意味するアイヌ語「オタルナイ」から
【人口】149,073人(2002年7月現在)
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